れんげるちゃんの怪物さんの感想くん

 

刺さった。この言葉がぴったりだ。

 

youtu.be

今年投稿してくれた動画、どれも楽しく見た。可愛いのも盛り上がるのも元気が出るものもトレンドの楽曲も。

でも今回は自分にとって刺さるものが多すぎた。

ダンス、表情、世界観、身体の動き、れんげるというペアの対比、似通ったところ……。響くものが多過ぎて初見では何に自分が心を打たれてるのかすらわからず、曲は終わりへと近づくのにただただ処理しきれない感情をシークバーの伸びと共に増やしながら息をとめて見ていた。
感動的なものには割とぺろっと泣いちゃうこともあるけど、踊ってみた動画を見てどうしていいかわからず泣くなんて初めてだった。

 

悔しいことに「何が言いたいのか」という一番文章を書く上で大事なことをわからないまま、文字を打ち出している。書き進めてるうちにわかるかもしれないなんて希望を持ちながら、「言葉に出来ないけどとにかく私に刺さった」ことを表明したくて書いてるんだろうな、という想像もついている。

 

綾野れんさんはずっと「友達の推し」であった。しっかり自分の目に飛び込んできたのは、昨年のDDDPのダンス部の時だ。めちゃめちゃ上手、自分が好きな踊り方をする、と感じた。癖のない真っすぐな踊り方。フォーゲルさんの位置とシンメトリーだったことも印象的であった。

その後のパリパリ始め彼の特にダンスにおいての活躍ぶり、というか「研修生」という言葉ですまされないスタイルは私が書く必要もなく。

衝撃だったのはDynamiteだった。一番に自分の目を奪うダンスだった。ハイパー推しカメラ搭載オタクが、推しよりもこの人を見ていた。

 

れんさんとフォーゲルさんの動画の予告があり、周囲も私もざわついた。「踊り」で果てしなく期待できる2人であったし、「やっと」でもあったような気もするし、衣装から踊る楽曲が察せたこともざわつかせた。

正直、期待はかなり高まっていた。でもその期待を軽々越えてきた。

 

 

今では冒頭の電子音が「このあとの動画はやばいぞ」という警告音にすら聞こえる。

 

ダンス。

振付はmarimo先生。裏腹な気持ちを歌った歌についたのは、衣装や構成ともに二者の様々な思いが巡るような振付だ。

今回の振付で私が印象的だな、と感じたのは手と腕の動き。手は顔や口を隠し、腕は何かを求めるように伸び、そして「いなくなれ」と強く振り払う。

個人の、トーシロの感想だけど、2人とも腕に限らず、四肢はじめ身体の動かし方、軌道、置く位置に癖と無駄がない。スッと馴染む動きだ。だからこそ、曲の世界観や振付の意図やそのほかの表情がグッと引き立って薫ってくる。

 

f:id:hal_akt:20201101215401g:image

フォーゲルさんの振付で視覚的に一番好きなのは2:36~2:45

伸びた手と、軸に重みがあるからこその軽やかなステップがとっても心地よい。あとフォーゲルさんのウェーブが好きなんだよね。私。

 

f:id:hal_akt:20201101215516g:image

れんさんは0:22~の動きを見ていると、空手をやっていた人だなぁと感じる。身体の運び方が空手の型をやるかのようだ。

 

f:id:hal_akt:20201101215449g:image

ここすごくかっこいい~~~

 

 

表情。

 

f:id:hal_akt:20201101213617g:plain

なにわろとんねん。

 

f:id:hal_akt:20201101220105g:plain

笑うなよ、かっこいいだろ。やめろ、こっち見んな。

 

・曲の世界観に浸って笑っている

・踊るのが楽しくて笑っている

・笑うと見てる人が魅了されるから笑っている

どれかな気もするし、全部な気もする。

 

フォーゲルさんは割と歌詞を読むひとだ。緑推しならよくご存じだと思うけど、動画やライブのあとに「曲のこの歌詞が好きです、こう読み取りました、なのでこう歌い・踊りました」と丁寧にブログで書いてくれることも多い。(充実の福利厚生)

となると、今回も曲の世界観をフォーゲルさんなりに読み解いて、踊ったり表情を浮かべたりという表現をしてるんじゃあないか、と深読みしたくなるけど、それは本人のみぞ知る。

 

 

わたしはこの曲を「好きでたまらない相手の嫌いなところを挙げていくが、本当はそんな相手を好きな自分がなくなってしまえばいいと思っている。でも自分を自分たらしめるのはそんな相手を好きであるということなのだ。」と読み解いた。

もし、曲の世界観を表しての表情だとしたら、フォーゲルさんもれんさんも歌詞の主人公というよりは違う立場(たとえば感情そのものとか、もう一つの冷静に観察してる「私」とか)にいるのかなぁ、なんて思いながら見てた。これは本家動画の2人もそうだ。

 

自分の想像をつらつらと書き重ねたけど、とにかくこの曲のお互いを見る目とか、何考えてるかわからない笑い方とかふとした表情がとても魅力的だ。

フォーゲルさんはライブ中あんなに「楽しい!」と語りかけてくるような笑みを浮かべるのに、何考えてるのかわからない表情をたまにすることがあって、とても好き。

 

今回の表情作りを見てわたしの中の「阿吽リスト」に怪物さんが追加されました(アイネクライネもここに入っている)。

 

表情といえば、フォーゲルさんのだんだん表情が柔らかくなったり、曲の世界に染まっていくのを見るのも好きだ。動画でもライブでもいい意味でスロースターターなんだな、と感じる。

 

 

れんげる。

ダンスにアドバンテージを持つ2人。いや、ずっと見てみたかった。それがこの曲となったのが嬉しい。

今回は黒と白の衣装だけでなく、髪も銀と金(のように見える)。

で踊ってみて分かったけど身体のつくりが違うというか、やはりフォーゲルさんはれんさんに比べて線が太い。

フォーゲルさんもかなり踊りに強弱・緩急がパキパキついてる方だと思うけど、それを凌駕する綾野れんの緩急よ…。あと多く音をとってるようにも見える。

心地がいいのに、実力があるから圧倒される。そんな2人の踊り。また見たいな。

 

 

 

「たくさん練習しました」なんて誰も言わない。

全国を回るツアーが配信のみになった時ですら、悔しい気持ちを滲ませたものの「こんだけ練習したんですよ!」なんて誰も言わなかった。それはエンタメのプロの世界では当たり前なんだろう、客としてエンタメを楽しむものとしても、仕事人としてもよくわかる。

だからこそ、私達はよく知っている。1回きりのステージや数分の動画のその裏に、たくさんの時間があることを。それはステージのための練習とか振付や歌を覚える時間だけを指すのではなく、彼らの日々のストレッチやステージでのちょっとした失敗の経験も指す。日々の多くの鍛錬が、一瞬一瞬の表現に滲む。

 

たった4分ほどの動画だけど、こんなことにまで最終的に思いを巡らす動画だった。

またひとつ、宝物が増えた。